板金製品・部品を製作するのに様々な工程があります。
製品により加工内容や工程数に違いがありますが、基本的な加工工程について記載しております。
板金加工の流れ・工程
板金加工の工程は、図面展開・NCプログラムの作製・ブランク加工・前処理・曲げ加工・溶接・仕上げ・表面処理(メッキ・塗装・アルマイト・シルク印刷)・検査などの工程を経て製品が完成します。
図面展開
まず初めに、製品図面から板金加工の最初の工程でブランク加工(切断・抜き加工)を行うために、図面を展開します。
製品図面は基本的に三角法の三面図(正面図・平面図・側面図)で書かれており、板金製作用に曲げ加工などの各加工工程を考慮して図面展開します。
2DCAD及び3DCADを使用して設計作業を行います。
NCプログラムの作製
板金加工に使用するNC加工機(NCT(NCタレットパンチプレス)、レーザ加工機、レーザー・タレパン複合機 、ベンディングマシンなど)を動かすためのNCプログラムを作成します。
加工プログラムを作成するソフトウェアのCAD/CAMを使用してNC加工機を数値制御して工作機械を動かすNCプログラムを作成します。
ブランク加工
ブランク加工は、抜き加工・切断加工を行い展開した図面形状の通りに外形や穴加工を形成します。
シャーリング加工・タレパン加工・レーザー加工・タレパンレーザー複合加工・ワイヤー加工・エッチング加工などでブランク加工を行います。
前処理
ブランク加工で抜き加工や切断加工によって、バリが発生する為、後工程の曲げ加工を行う前にバリを除去します。
ヤスリやグラインダーなどを利用して手作業で除去したり、サンドペーパーを回転させて機械的に除去します。
また、次工程の曲げ加工を行う前に、曲げた後では難しい加工は必要に応じて加工を施します。
バーリング加工・タッピング加工・ねじ穴・ザグリ・皿もみ加工など。
曲げ加工
展開図面通りにブランク加工を行い、前処理をした金属の平板をプレスブレーキ(ベンダー)を使用しており曲げ加工をして形状を成形します。
曲げ加工は板金加工において最も重要な工程になります。
ベンダー加工はワークをバックゲージに突き当てて、金型(パンチ・ダイ)で挟み込み曲げ角度を形成します。
曲げ加工の種類は、型曲げ・V曲げ・U曲げ・L曲・エアベンディング・ボトミング・コイニング・パーシャルベンディングなどがあります。
溶接
曲げ加工を施した板金同士を接合する場合に溶接加工を行います。接合個所を溶接し製品形状を形成します。
溶接加工は、溶接技術者の技量で仕上がりや品質に大きく左右します。
溶接の工法は大きく3種類に分類され、融接、圧接、ろう接になります。
様々な溶接の種類
- アーク溶接
- レーザー溶接
- スポット溶接
- スタッド溶接
- ロウ付
- TIG溶接
- MIG溶接
仕上げ
溶接加工後は加工部分に凹凸や焼け跡が発生します。その凹凸部をヤスリやサンダー、グラインダーサンドペーパー、研磨などでならして平らに仕上げます。
また、焼け跡の除去やキズの補修をして仕上げます。
表面処理
表面処理の必要な製品は仕上げ加工が完了した後に表面処理を行います。
表面処理は、材質や使用用途、処理の目的など設計者の要望により必要な処理を行います。
メッキ、アルマイト処理、焼付塗装やウレタン塗装、紛体塗装、シルク印刷などの表面処理を施します。
検査
上記工程を経て製品が完成します。最終工程として出荷前に検査工程があります。
外観検査、図面と照らし合わせて寸法検査を行い、検査にクリアした製品を出荷します。